情報漏洩が起こったとき、会社はどう対応すべきでしょうか。
情報漏洩は、会社にとって社会的信用を失い、事業を立ち行かなくなるというリスクがあります。
今回は、実際にあった情報漏洩の事例と、会社が取るべき具体的な対応の手順について解説します。
会社の情報漏洩の事例
情報漏洩の原因は多岐にわたりますが、特に多く見られる2つの事例についてみていきます。
元従業員による営業秘密の情報漏洩
退職した元従業員が、在職中にアクセス権限を持っていた顧客リストや独自の技術情報を社外に持ち出すことで情報漏洩が起こることがあります。
これは「営業秘密」の侵害にあたり、不正競争防止法に違反する重大な違法行為となります。
従業員によるSNS上での顧客の情報漏洩
近年のスマートフォンの普及に伴い、従業員がSNSに不適切な投稿をした結果、意図せず情報が漏洩してしまう事例が増えています。
たとえ悪意がなかったとしても、営業秘密や個人のプライバシーを侵害することになり、結果として会社全体の管理体制が厳しく問われることになります。
また1度インターネット上に流出した情報は、瞬く間に拡散されるため、デジタルタトゥーとして消し去ることが困難な被害を生んでしまいます。
実際に情報漏洩が起きたときに会社が行うべきこと
情報漏洩が発生してしまった場合には、会社は次のような対応を速やかに行う必要があります。
管理者に伝え原因特定などの調査を行う
漏洩の疑いが生じた際は、まず社内の責任ある管理者に直ちに報告し、情報セキュリティ担当部署を中心とした対策チームを組織します。
そして、いつ、どこで、誰が、どのような情報を、どのような経緯で漏洩させたのかという実態を正確に把握するための調査を開始します。
客観的な証拠を保全することが重要であり、パソコンの操作ログや入退室記録、通信記録などを詳細に分析する過程が必要となります。
原因を特定しないまま表面的な謝罪を行うことは、かえって不信感を買う原因となるため、調査を徹底する必要があります。
被害の拡大の防止措置を取る
調査と並行して、これ以上の情報の流出を防ぐための応急処置を講じます。
たとえば、ネットワークの遮断、流出したデータのアクセス権限の変更、パスワードの一斉リセットなどが考えられます。
また、外部サイトに情報が掲載されている場合は、サイト運営者に対して削除要請を迅速に行うことも重要です。
二次被害を防ぐための措置は、漏洩発覚から数時間以内に行うことが望ましく、そのための判断基準をあらかじめ定めておくことが欠かせません。
影響を受ける可能性のある方に対し速やかに報告する
情報漏洩によって被害を受けるおそれがある顧客や取引先に対しては、速やかに事実関係を報告し、お詫びを伝える必要があります。
特に個人情報が漏洩した場合には、個人情報保護法に基づき、個人情報保護委員会への報告と、本人への通知が法律上の義務となることがあります。
報告の際は、現在の状況と今後の対応方針を明確にし、誠意を持ったコミュニケーションを心がけます。
損害があった方の補償を行う
漏洩によって実際に金銭的な被害や権利の侵害を受けた方に対しては、適切な補償を検討しなければなりません。
具体的な損害額が算定可能な場合は賠償金の支払いを行い、それ以外の場合でもお詫びの品や金券を送付するなどの対応が取られることが一般的です。
具体的な補償の内容や範囲については、法的な観点からも精査が必要となるため、弁護士と相談しながら決定した方が良いでしょう。
再発防止策を公表し実施する
情報漏洩の事態が収束した後は、再発防止に向けた対策を構築する必要があります。
システムのセキュリティ強化、社内規定の見直し、そして全従業員に対するコンプライアンス教育の再徹底など、具体的な施策を策定します。
これらの再発防止策を対外的に公表することで、会社としての責任を全うし、社会からの信頼を少しずつ取り戻していくことが期待できます。
単に「注意します」といった精神論ではなく、物理的な仕組みとして漏洩が起きない環境を整えることが、持続可能な経営のために必要です。
まとめ
今回は、情報漏洩の事例と、会社が取るべき対応について解説しました。
情報漏洩はどの会社でも起こり得るリスクであり、日頃からの備えが何よりも大切です。
初期の調査から、被害者への対応、そして再発防止に向けた一連の過程において、適切な判断を下すことは容易ではありません。
自社だけで対応すると、対応を誤り、不利な状況に陥る可能性があるため、早めに弁護士に相談し、リスク管理を徹底することをお勧めします。
当事務所では、情報漏洩をはじめ、会社の危機管理体制のサポートを行っております。
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