マンション内の騒音でクレームを受けました。大家は何か対応すべきでしょうか?

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マンションやアパートを経営する大家様にとって、入居者からの騒音に関するクレームは、もっとも頻繁に起こり、かつ対応に苦慮する問題のひとつです。

大家には、入居者が平穏に生活できるように環境を整える義務があるため、適切な対応を怠ると法的な責任を問われる可能性もあります。

ここでは、騒音トラブルを放置することのリスクや、当事者間での解決が難しい理由、そして弁護士へ相談する理由について解説します。

マンション内の騒音トラブルを放置するとどうなる?

騒音の苦情があったにもかかわらず、具体的な対策を講じずに放置し続けると、目に見える形での不利益が発生し始めます。

大家としての管理責任が問われるだけでなく、物件の価値そのものを損なうことにつながります。

入居率が下がってしまう可能性がある

騒音トラブルが解決されないまま放置されると入居者が退去してしまう事態を招きます。

騒音の被害を受けている入居者にとって、大家様が何もしてくれないという事実は、不信感を募らせる決定的な要因となります。

結果として、騒音の原因となっている入居者だけが残るという、賃貸経営にとって最悪の状況が生まれます。

インターネット上の口コミサイトなどに「このマンションは騒音がひどく、管理も不十分だ」といった悪評を書かれることで、新しい入居者が決まりにくくなり、空室率が高まってしまうリスクもあります。

告知義務を怠ったことによる不利益を被る可能性がある

深刻な騒音トラブルが存在している事実は、不動産取引における環境瑕疵に該当する場合があります。

新しく入居した者から事前に聞いていれば契約しなかったとして、契約の解除や損害賠償を請求される可能性があります。

また、物件を売却する際にも、近隣トラブルの有無は重要な評価基準となるため、問題が未解決のままだと売却価格が大幅に下がってしまう、あるいは売却そのものが困難になるといった不利益を被ることになります。

トラブルを早期に解決しておくことは、資産価値を維持するために避けて通れない重要な責務です。

騒音トラブルは当事者間で解決するのが難しい

騒音トラブルが発生した際、当事者同士で話し合ってくださいと突き放すことは、事態を悪化させる原因となります。

騒音問題が解決に至るまでの道筋が困難である理由は、いくつかあります。

まず、騒音の発生源となっている入居者がどのような人物であるかによって、対応の難易度が大きく変わります。

意図的に嫌がらせを行っている確信犯的なケースもあれば、自身の生活音が周囲に響いていることに全く無自覚なケースもあります。

中には、精神的な疾患を抱えていたり、反社会的な背景を持っていたりする場合もあり、不用意な接触が大きな事件に発展する恐れも否定できません。

大家様が注意を行ったとしても、相手が感情的に反発し、逆ギレして被害者への嫌がらせを加速させるという例も多々見受けられます。

また、騒音の頻度や大きさ、発生の原因についても、客観的な判断が難しいという側面があります。

「うるさい」と感じる基準は個人の感覚に左右される部分が大きく、被害者が過敏になっている場合もあれば、建物の構造上の欠陥が原因である場合もあります。

大家様が中立的な立場で注意を行おうとしても、デシベル数などの測定記録がなければ、発生源の入居者に言い逃れを許してしまうことになります。

さらに、法的に強制的な退去を求めるためには、継続的な指導の記録や、騒音が受忍限度を超えているという確実な立証が必要となります。

これらの法的な精査を積み重ねる過程は専門性が高く、一般の大家様が単独で完結させるのは極めて困難です。

感情的な対立が深まり、修復不可能な状態になる前に弁護士に相談することが大切です。

まとめ

今回は、マンション内での騒音トラブルが発生した際に大家様が取るべき視点と、放置することのリスクについて解説しました。

騒音問題は単なる「音」の問題ではなく、入居者の生活権と大家様の管理責任が複雑に絡み合った法的な問題です。

自社や個人での対応に限界を感じた際は、事態が深刻化する前に弁護士への相談を検討してください。

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阪本 敬幸(さかもと のりゆき)/ 代表弁護士

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